「第2次樺太鉄道調査隊」15
2015年6月9日(火)〜6月19日(金) 11日間

Page 10 特別編 Karamatsu
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西海岸・最もディープなゾーンに潜入
隊長「間宮海峡に散る!」

■遥かなる40連橋■

おぉ〜い 隊長〜 ほんとに散っちゃったか〜 ページがアップされてな〜い
とみなさんからのお叱りなのか激励なのかかわんない伝言を多数頂戴
原因は脳みそがイベント会場へ行っちゃってた為 そこで再度脳みそを樺太モードへと切替
そんな訳でタイトルに沿って ディープで深〜い あなたの知らない世界へごあんない・・・ ごあんない・・・

振るえを覚える万感の光景 そんな瞬間にまた遭遇してしまった
若い頃 よく見た夢 どこまでも続く断崖の海岸線 そこを何故か体は飛んでいた 同じものを何度も見た
あれから40年 引き寄せられる事の暗示だったのか まるでここに来る事が判っていたが如くだ
自分の中の時計が逆戻りする 吹かれる風が濃すぎて むせる程の鼓動
もしかして 水平線の彼方に見えるは「間宮海峡」だ
とうとうこんなところまで来てしまった 日本最果ての鉄道光景との出会いである
【2015/6/17】
樺太西線ここにあり

恵須取の町は豊原に次いで 2番目に人口の多い地だった 鉄道もつながってなかったのに
あの真岡よりも多かった 陸路が繋がるより石炭採掘の速度が勝った
完全に陸の孤島でありながら 島内の中でも特殊な発展をとげた
そんな8キロ先に兄弟のような炭鉱「塔路」の町がある
それがこれがある
黒いダイヤ搬出の為 航路とこの地域全体の輸送網を複雑怪奇に独自整備した
断崖絶壁上にそびえるこの40連橋(勝手に命名)もちろん初公開画像
最果ての鉄道象徴である事は間違いないが
この橋たちがいったい何者なのか 調べれば調べる程謎が深まる
久春内からの樺太東線未成線はダイナミックにも概ね追う事ができ
地元ロシア人はお前らヤポンスキーが作った橋だと親切に説明してくれた

ここ塔路は未成線終端(藻糸音)まであと僅かの所
ナロー王国塔路にふさわしく網の目のように敷設されたレール達と
樺太東線の未成線が混ざり合う 非常に濃いところだ
ひとりあたり50万円の経費と片道4日の問題を解決出切れば超人気のスポットになるに違いない

だがこの石炭搬出基地であるこの一帯ははかなりの高台 これが問題だ
石炭搬出用には好都合な立地だが 恵須取からの海岸線経由の未成線とこの高台先の平坦部未成線へは
高低がじゃましてどうしても繋がらない その上この40連橋 未成線の一部であればこの上なくうれしいが
この橋を経由してたか 未成線跡は流れ上 断崖絶壁下付近を走っていたことになる
強引に繋いだとしたらジェットコースター状態だ
旧王子製紙のナローも それを利用延長したソビエト時代のナローも 未成線も一色炭になってる
解けない謎はこの光景と生きているナロー王国にいっそうの魅力を放っている

 「樺太鉄道10景」に認定!

実はまだまだこんなもんじゃない 探せば探す程レール跡がザクザク
恵須取方面は太平炭山や市内・漁港・製紙工場等永遠と続く まさに生きたナロー王国だ

どうやって走ってるかわかんないしょ
つまりは早い奴が遅い奴を抜き去ってくだけ ただしその方法は自由 標識も一切なし
この坂から塔路の高台が始まる 未成線もこんなとこまっすぐ登れない

■それじゃ〜いきますか?今日の本題■
「この中州はいったい何でしょう!」

答え⇒手前は湖 向側は間宮海峡 そして一筋の道はナローの線路があるんだよね
飽きたから妄想タイムはしないけど 日に数度オレンジ色の奴がやってくる ここをね
せひともと隊長トライするも道がなかった 第三次調査隊ではやぶこぎ隊を連れて行く
まじめな話ここに未成線があったことになるが まさかナローとの併用軌道? ないない
でも完成してたら素晴らしい鉄道名所だったろう

発見した瞬間!
すっげぇ断崖だぁ〜って言ってたら・・・
右上見える?そう40連橋がズラリ 侵食がどんどん進んでいる そのうち本当に幻になっしまう

数えたらちょうど40の橋ゲタがあった 今までの作りとはまったく違う
果たしてここに何が架かってたか その上をどんな列車が・・・ 隊長ーしっかりしてくれ!
魂がどっかに行ってる〜

だれもいないよ だれも興味もないみたい だけど70年以上もそのままだよ
ロシア人になってみるか・・・
隊長「間宮海峡に散る!」

40連橋はあまりにも衝撃的だった こんなクライマックスが待ってるとは 出来すぎだぜ
脳みそはチリジリに 血管はドクドクに 放心状態のままいったん現場を離れ北へ
そして丘を登りつめた瞬間すべてが壊れちまった 広がるこの間宮の空と海と鉄路に完全にやられちまった
このまま飛んで生きた〜い

※坂を下りきった細い部分が樺太西線未成線最終遺構 その先の小さな集落が藻糸音(終着予定地)だった
本当の終着は50度線下「安別」ではなかったのかと新たに疑問も生まれた
この小さな集落が終着になった理由は次回課題としよう
生きていたナロー王国「塔路」
【2015/6/17】⇒16Pへ続く

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